出向社員を専任技術者にするには
現状、自社に専任技術者の要件に該当する人材がいない場合、建設業許可を取得することはできません。
とはいえ、今すぐ建設業許可を取得したいわけですから、ここであきらめるわけにはいかないでしょう。
対策としては、次の行動が考えられます。
- 国家資格者等を持っている者を雇う
- 10年以上の実務経験を持っている者を雇う
- 自己または自社の社員が国家資格等を取得する
- 他社から技術者要件に合う者を出向してもらう
本稿で注目したいのは、「4 他社から技術者要件に合う者を出向してもらう」です。
親交のある会社と資格保持者や実務経験者を出向してもらい、専任技術者として登録することができます。その場合には、出向元の会社と出向契約書を結んでおくことが必要です。出向職員も含めて三者で契約しておいても構いません。
建設業許可を取得する上で大切なことは、許可を取得しようとする出向先の営業所に当該出向職員が常駐していることです。常駐するわけでもないのに、書面上だけで出向契約を交わし、建設業許可を取得することは違法ですので、ご注意ください。
出向契約書には、賃金の支払い方法や社会保険料の負担について明記しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。