商社の存在 元請か下請か
先日、経審の申請を為すに当たり、工事実績の確認をしていました。クライアントから送ってもらった契約したことを証する書面をみると、そこに商社の名前が記載されていました。中小企業では、契約実務や営業力に長けた人材がいないことも珍しくないため、商社が間に入り営業・契約実務を行っているようです。ちなみに今回の契約書は納入先の会社の購買システムの画面を印刷したものでした。
その商社の立場ですが、一見、契約書だけ見ると、商社が元請で私のクライアントが下請というようにも見えます。しかし会社としては下請ではなく、あくまで元請という認識でした。工事が元請なのか、それとも下請なのか、という判断は、経審の点数に大きく影響する事項です。クライアントの言うがままに申請すると虚偽申請に当たる場合も考えられますし、かと言ってもし本当に元請であったのなら、下請として申請するとそれはそれで虚偽申請になり得ますし、経審の点数も低くなってしまいます。
クライアントに確認したところ、納入先の会社と取り交わした契約の基本約款があり、その中に「代理人の起用」について記載されていました。つまり商社は元請ではなく、代理人という立場だったようです。基本約款には「契約の成立」についても記載されており、書面ではなく、会社のシステムで契約が成立することも確認できました。
上記の理由により、私も間違いなく元請と判断し、経審の申請に臨みました。ちなみに、そもそも商社が元請になるためには、商社自身が建設業許可を取得していく必要があるよな、と考えたので、念のため商社が建設業許可を取得しているか、確認しました。国交省のシステムで検索したところ、しっかり建設業許可を取得していました。商社としても、どこから突っ込まれてもいいように、法的対策も抜かりがないようです。