代表取締役が亡くなりました
建設業許可をとっている会社の代表取締役が亡くなった場合、30日以内に変更の届出が必要となります。もし代表が経営業務の管理責任者(経管)を務めている場合は、2週間以内に経管の変更届を提出することが必要です。
しかし、肝心の“代わりとなる人”がいなかった場合、どうなるのでしょうか?
本ホームページの建設業許可の取得の要件にも書いておりますが、経管となるためには、「5年以上の経営経験」または「6年以上の経営補佐経験」が必要となります(なお、この要件について法改正が議論されており、近い将来、撤廃される方向となっております)。
最近、実際にあった相談なのですが、代表取締役が経管となっており、その方が亡くなられました。取締役の中に経管の要件を満たす方がいればよかったのですが、社長以外は非常勤取締役。従業員の中から、6年以上経営補佐経験のある人を選任して取締役に入れるということもできず、そのままの状態で時間だけが過ぎていきました。登記上の代表もそのままです。
結論を申しますと、こういった場合、いったん建設業許可を廃業せざるを得ません。「廃業」という響きがマイナスイメージですが、許可要件を満たすことができない以上、廃業以外の選択肢はありません。
許可要件を満たさないにもかかわらず、建設業許可を持っているものとして営業していた場合、これは建設業法違反となります。非常勤取締役が他の会社の取締役を兼任しており、その会社が建設業許可を持っていたと仮定するならば、当該他の会社も役員が欠格要件に該当するとして、処分されることになりかねません。
廃業といっても、別に事業自体は継続できますし、500万円以下の工事であれば受注可能です。体制を整えた上で改めて許可取得の申請をすればいいと思います。
場当たり的な対応で問題を先延ばしせず、きちんとした対応が必要です。